公社の賃貸ブログ
賃貸で多い退去費用のトラブル。費用の相場と解決方法をご紹介!
こんにちは!神奈川県住宅供給公社の田中です。
賃貸住宅にまつわる問題で多いのが退去費用のトラブルです。
敷金が戻ってこなかった、法外な退去費用を請求されたなど国民生活センターにもたくさんの相談が寄せられています。
今回は賃貸住宅の退去費用についてのお話。
退去費用の一般的な相場や、退去時に多いトラブル、もしトラブルになってしまった場合の対処法をご紹介します。
賃貸退去時の費用トラブルはとても多い
ある賃貸経営管理会社が、一人暮らし・引っ越し経験のある20~40代男女に調査したところ、約4割の方が「引っ越し時に失敗・トラブルがあった(なりそうだった)」と回答したそうです。
引っ越し・賃貸住宅退去時には約半数もの人がトラブルを経験しているようです。
国民生活センターへも毎年たくさんの相談が寄せられています。
■国民生活センターへ寄せられる「賃貸住宅の敷金ならびに原状回復トラブル」相談件数の推移
2015年度:14,232件
2016年度:13,900件
2017年度:12,350件(前年同期 13,053)
(2018年3月31日現在、国民生活センターホームページより)
■多い相談内容
・敷金を返してもらえなかった
・入居時からあった傷や汚れに対して修繕費を要求された
・ハウスクリーニング費用として法外な請求をされた
このように賃貸退去時のトラブルの中でも、お金に関わるトラブルがとても多いことがわかります。
敷金を返してもらえない、高額な退去費用を請求されたといった声が多く、中にはハウスクリーニング費用として100万円以上もの法外な請求をされたりするケースもあるようです。
【引用元】
●賃貸住宅から退出時に4.2割の人はトラブル経験あり!その内、2.7割は敷金以上の経済的負担を経験。一方でトラブル経験のない"引っ越し上手"は入居時の行動に違いが
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000026783.html
●賃貸住宅の敷金、ならびに原状回復トラブル(各種相談の件数や傾向) 国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/chintai.htmlv
賃貸退去時にかかる一般的な費用は?
一般的に賃貸退去時にはどのような費用がどのくらいかかるのでしょうか。
退去時には、入居後についた汚れや傷を修繕するための修繕費「原状回復費用」がかかります。
基本的には、入居時に預けてある敷金より精算されることになります。
敷金とは、入居者が家賃を滞納したり、不注意で部屋を汚したり傷つけたりしてしまった時の修繕(原状回復)のために入居時に大家へ預けているお金です。
滞納や修繕の必要がなければ退去時に原則返還されます。
原状回復のための費用負担は大家にある場合も
部屋を「汚したり傷つけたりした時」と言いましたが、人が住んでいれば部屋は消耗するものです。
この場合の「原状回復」とは、全くの入居当時の状態に戻すことではなく「普通に生活していて発生する汚れや傷」は除いた状態で判断されます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では原状回復として借主負担による修繕が必要なものを下記の通り明文化しています。
"原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること "
つまり、普通に生活しているだけで発生する汚れや経年劣化による傷(通常損耗)などは借主側に原状回復の責任はなく、修繕については大家に責任があるのです。
【大家が修繕費用を負担する必要のある汚れ、傷】
・壁紙や畳が日焼けして変色した
・カレンダーを張った押しピンの穴
・経年劣化でガラスにひびが入った
・家具を置いただけで床がへこんだ など
【借主が修繕費用を負担する必要のある汚れ、傷】
・こぼした飲物をそのままにしてできたシミ、カビ
・ペットが壁や床につけた傷
・掃除をさぼったことによる風呂場の赤カビ
・たばこによるクロスのヤニ跡
・家具を移動させる時に引きずって出来た床の傷
掃除を怠らずに普通に生活していれば、実は退去費用は必要ないということになります。
ハウスクリーニングの特約に注意
通常使用で発生した汚れの修繕に関しては基本的に大家側の責任となりますが、賃貸住宅を借りる際の賃貸契約に「退去時にハウスクリーニング費用を払う」という特約が含まれていることがあります。
この場合、敷金からハウスクリーニング代が差し引かれることになります。
ハウスクリーニングの費用は賃貸契約書に明記されていますので、契約を結ぶ際にはチェックしてみましょう。
アパートやマンションで一般的なハウスクリーニング費用は、家賃の1ヵ月分程度が目安と言われています。
賃貸の退去時にトラブルになった場合は?
敷金が返ってこない、法外な修繕費用を請求されたなどのトラブルが起こってしまった場合、「このくらいならしょうがないか......」と泣き寝入りせず、きちんと納得できる説明を求めたり、交渉したりするようにしましょう。
解決するためには次のように相談することも有効です。ぜひ参考にしてくださいね。
国民生活センター、消費者センターなどに相談する
大家や不動産会社が交渉に応じてくれなかった場合は、国民生活センター、消費者センターなどに相談をしてみましょう。
法的拘束力のある指導を出せるわけではないですが、法律での決まりやこの後の対応についてアドバイスをもらうことができます。
相談料は無料です。
まとめ
・賃貸退去時に失敗やトラブルを経験したことがある方は約半数。中でも「敷金を返してもらえない」「高額な修繕費を請求されてしまった」などお金に関わるトラブルが多く、国民生活センターへも多くの相談が寄せられています。
・退去時には、入居によって発生してしまった汚れや傷を修繕するための「原状回復費用」を支払う必要があります。ただしこれは通常の生活や経年劣化でついた汚れや傷は除きます。契約書にハウスクリーニング費用の特約が明記されている場合はその支払いも必要です。
・納得できない請求やトラブルについては泣き寝入りせずに、大家や管理会社へ交渉したり、国民生活センターへ相談したりしてみましょう。
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田中(募集契約課) 公社では建替から地域活性化事業まで経験しました!絶賛子育て中です。 「公社の賃貸」の魅力をお伝えできるよう頑張ります。