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2年契約の賃貸は途中解約可能?違約金や手続きについて解説

2024.01.25

団地の知識

こんにちは!神奈川県住宅供給公社の吉野です。

賃貸物件に住んでいると、転勤や家庭の事情などで契約期間が満了する前に解約を考える人もいるかと思います。

しかし、2年間の契約が終わる前に解約ができるのか、解約の際に違約金などのペナルティがあるのかわからない人もいるのではないでしょうか。

賃貸物件を借りる際に契約内容を把握していないと、解約時に違約金が発生して思わぬ出費を招くことにもなります。

そこで、今回は2年契約の賃貸物件で途中解約は可能なのか、違約金が発生するケースと発生しないケースについても解説します!

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2年契約の賃貸物件も途中解約は可能!

結論として2年契約で賃貸物件に住んでいる場合、途中解約は可能です。

途中解約に関する内容は契約書に記載されているほか、事前に退去予告を行う必要があります。

以下で詳しく解説していきましょう。

途中解約時は契約書を確認する

賃貸物件の途中解約は可能ですが、退去が決まったら重要事項説明書や賃貸借契約書を確認しましょう。

書類には解約手続きに関する内容が記載されています。

後述する定期借家契約のように、契約内容によっては途中解約が認められないケースもあります。

契約満了まで住むかわからない場合は、途中解約が可能か契約を結ぶ前に大家さんや管理会社と話し合い、解約時にトラブルが起きないようにしましょう。

途中解約の場合は退去予告が必要

契約途中で退去する場合、1〜2カ月前に退去予告を行う必要があります。

賃貸契約を結ぶ際に、賃貸借契約書に退去予告期日に関する記述があるため、解約を検討する際は事前に確認しましょう。

退去予告が必要な理由として、退去後は大家さんもしくは管理会社側でハウスクリーニングの手配や、新たに募集するための段取りを組む必要があります。

そのため、個人的な理由による急な退去は原則認められません。

退去予告を退去の1カ月前に行う場合、予告から1カ月以内に退去しなければなりません。

もし1カ月を過ぎた場合は、違約金が発生するケースもあるため、引越しの準備を計画的に行う必要があります。

また、人気物件の場合は2カ月前の退去予告としているケースも稀にあります。

定期借家契約は原則解約できない

賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、定期借家契約の場合、一定の条件を満たさないと原則として途中解約はできません。

普通借家契約は1年以上の賃貸借期間が定められていて契約の更新が可能な契約方法で、定期借家契約とは契約期間の満了によって賃貸借関係が確定的に終了する契約のことです。

定期借家契約は終了の期間がしっかり決まっているので、特約がない限りは原則として賃借人からの中途解約権がないのです。

解約が認められる一定の条件とは、居住用として使用しており床面積が200平方メートル未満であること、さらに病気や転勤、親族の介護などで生活の本拠としての使用が難しくなった場合です。

この条件に当てはまらない場合は、契約時に途中解約を認める特約を結んでいれば、借主側の都合で途中解約ができます。

特約を結んでいない場合でも、貸主側と借主側双方の合意による途中解約も可能です。

ただし、特約を結んでいない状態で途中解約する場合、契約期間が満了するまでの残り期間分の賃料を請求される可能性があります。

支払いに対応できるよう、支払いができるだけのお金を準備しておくことも頭に入れておきましょう。

2年契約の賃貸物件を途中解約した時の違約金・相場は?

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賃貸物件を途中解約する際、違約金が発生するケースは多くありません。

しかし、契約内容によっては違約金の支払いが必要となる場合があるため、注意が必要です。

違約金が発生するケースと発生しないケース、違約金の相場について解説します。

途中解約時に違約金が発生するケースは少ない

重要事項説明書や賃貸借契約書に記載がない場合、住んでいる期間が短くても、基本的に途中解約時の違約金が発生することはないです。

普通借家契約で2年契約を結んだ場合、必ず2年間住まわなければならない訳ではなく、半年や1年で解約しても違約金を支払う必要はありません。

違約金が発生するケース

重要事項説明書や賃貸借契約書に1年以内に解約する際、「1カ月分の賃料を違約金として支払う」と記載がある場合は、支払いに応じる必要があります。

違約金が発生する条件や金額は貸主側が自由に設定できます。

そのため、賃貸借契約を結ぶ際は契約書に違約金についての記載があるか確認しましょう。

貸主側としては、できるだけ長く住んでもらいたいと思うため、短期間での解約に違約金を設定していることもあります。

借主側は違約金の支払いを拒むことはできないので、短期間で解約する可能性がある場合には、違約金の準備をあらかじめしておくことも必要です。

頻繁に転勤が発生する仕事についている場合、退去のたびに違約金が発生すると、家計を圧迫しかねません。

物件探しの際は、違約金が発生しない賃貸物件を探すようにしましょう。

違約金が発生しないケース

違約金が発生しないケースとして、重要事項説明書や賃貸借契約書に記載がない場合のほか、大家さんや管理会社の都合で物件からの退去や解約を求められた時が挙げられます。

住んでいたアパートやマンションの老朽化が進み、建て替えや解体を実施する場合は、契約書に違約金に関する文言があっても支払う必要はありません。

貸主側の都合による退去の場合、原則として半年前までには告知されるため、急な退去勧告はありませんので、安心してくださいね。

ただし、違約金がかからない場合でも、借主側に以下のようなルール違反があった場合は、解約とは別の違約金を支払う必要があります。

・騒音トラブルを起こしている
・家賃の滞納を続けている
・共用部分を私物で占拠している
・部屋を契約者以外の第三者に貸している
・ペット不可の物件でペットを飼っている
・居住専用物件を事務所として使っている

余分な違約金を支払うことがないよう、上記の点には気をつけましょう。

違約金が発生した場合の相場

国土交通省が定める「賃貸住宅標準契約書」には、違約金は30日分の賃料と定められています。

30日分の賃料を違約金として扱っている賃貸住宅標準契約書は、多くの不動産会社で使われていることから、1カ月分の家賃程度が相場です。

ただし入居から退去までの期間が短い場合や、「フリーレント」や「敷金礼金ゼロ」など入居時の条件がお得な物件の場合、違約金が高めに設定されていることもあります。

その場合の相場は、家賃の2カ月分のケースが多いです。

また、稀に賃貸借契約において違約金が相場よりはるかに高く設定されているケースがあります。

このような借主が不利益を被るようなケースは、消費者契約法によって無効となります。

賃貸物件を途中解約の手続きの方法を確認!

ここでは、実際に途中解約する際の手続きの流れと、解約時の家賃の扱いについて解説します。

引っ越し作業をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてくださいね。

途中解約手続きの方法と手順

賃貸物件を途中解約する際の、一般的な手順は以下の通りです。

・大家さんまたは管理会社へ退去予告をする
・退去届を提出する
・電気・水道・ガスなどの転居手続きをする
・郵便物の転出届を提出する
・住民票の転出届を提出する
・ご近所へ挨拶をする
・退去するお部屋の掃除をする
・引越しをする
・退去の立ち会いを行う
・敷金を精算する

先述したように、退去が決まったら退去日の1〜2カ月前に大家さんまたは管理会社へ退去予告をします。

退去届の提出が必要な場合は、書類が届き次第必要事項を記入して返送しましょう。

引っ越しまでの間に掃除を十分に行うことで、退去後のハウスクリーニング代を抑えられます。

また、ハウスクリーニング代を差し引いても敷金が残った場合、残った敷金が戻ってくる可能性があります。

賃貸を解約・退去する手続きや流れは?準備するものや注意点も!」でも、解約時の手続きの流れを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

解約時の家賃は日割りかチェックする

賃貸契約を解約する際は、解約月に支払う家賃が日割りか月割りのどちらであるかを、賃貸借契約書を読んでチェックしましょう。

月割りの場合は月の始めに解約しても1カ月分の家賃を支払う必要があります。

一方で日割りは、家賃を解約日までの日数で割った分のみを支払うだけで良いです。

2年契約の賃貸物件を途中解約する際は契約書をチェックしよう!

賃貸物件を2年契約で結び、重要事項説明書や賃貸借契約書に途中解約を禁止する記述がない場合、途中解約が可能です。

しかし、定期借家契約を結んでいる場合は原則として途中解約は認められず、事前に特約を結んでいる場合か、特定の条件を満たさない限り、契約満了まで住まなければなりませんので注意が必要です。

途中解約を決めた後は、退去日の1〜2カ月前に大家さんか管理会社へ退去予告を行います。

退去予告を行ってから1〜2カ月以内に退去できなかった場合、1カ月分の家賃を支払う必要があるため、退去予告後は計画的に引っ越し準備を進めましょう。

違約金に関しても、重要事項説明書や賃貸借契約書に記載がない場合は、基本的に発生することはありません。

記載がある場合は、支払いに応じる必要があるため確認しましょう。

神奈川県で賃貸住宅を探すなら「神奈川県の賃貸物件検索」もぜひご覧ください。
気になるエリアや街、物件に関して不明な点などがあれば、お気軽にお問い合わせくださいね。

吉野(募集契約課) 用地管理・土地区画整理事業・住宅運営管理・家賃収納業務を経て賃貸住宅募集担当。 現在、賃貸住宅契約業務及び神奈川県広報紙「県のたより」や大手新聞広告掲載に従事。 賃貸・分譲住宅の自ら居住経験を活かし、日々住宅で学んだことを発信します!