賃貸の管理費とは？共益費とは？0円物件は本当にお得？相場もご紹介

こんにちは！　神奈川県住宅供給公社の戸丸です。

賃貸アパート・マンションの契約には、初期費用や家賃、仲介手数料といった費用が発生します。

そんな費用の中でも「管理費」や「共益費」という項目、気になったことはありませんか？

今では「管理費」や「共益費」が0円の物件も珍しくありませんが、そもそも2つの役割を理解していないとお得な物件かどうかは分かりません。

そこで今回は賃貸にまつわる管理費や共益費についてご紹介します。

それぞれの違いや、なぜ家賃と別に表記されるのか、管理費や共益費の相場や注意点などについてチェックしましょう！

賃貸住宅の管理費とは？共益費とは？違いを解説

賃貸住宅の管理費は文字通り「管理をするための費用」。

つまりアパートやマンションの建物修復費用など、主にメンテナンス費として充てられます。

物件には「管理費」の他に「共益費」を設定しているものもあります。

以下の基準をご参考ください。

・管理費：マンションの事務処理・設備や共用部分を、貸主が管理および維持するために必要とする費用
・共益費：借主が共用する設備または施設の運営および維持にかかる費用

管理費だけを設定している場合は、上記費用の全てが含まれていると考えて良いでしょう。

どちらも物件の運営や維持に関わる費用で、住人が共有する廊下のライトの電球交換、清掃などが挙げられます。

この管理費や共益費は、家賃のように毎月支払う必要があります。

賃貸住宅の管理費・共益費の必要性は？家賃と分けられている理由

管理費と共益費の内容や違いがわかったところで、なぜ管理費や共益費が必要なのか知っておきましょう。

同じように毎月支払うのに、家賃と管理費・共益費が別に表記されている理由もご紹介します。

快適な住環境を整えるため

管理費は、物件の運営や維持に必要な経費です。

例えば賃貸アパートやマンションで生活する際、階段や廊下部分の電球が切れてもそのまま、エントランスにゴミが落ちていても清掃せず放置状態...というのは嫌ですよね？

入居者全員が住み心地の良い賃貸住宅であるためにも、管理費がある物件の方が安心です。

他にも「部屋が水漏れする」など賃貸住宅のお困りごとの相談は、まず大家さんや管理会社を通すことが多いはず。

このように管理費の場合は、管理する側には何かと住人のクレームやトラブル処理といった負担もあり、管理費に人件費が含まれている場合もあるのです。

家賃を安くして初期費用を下げるため

賃貸物件の中には、家賃と別で管理費や共益費が設定されているものもあれば、管理費・共益費を込みにした家賃設定になっているものもあります。

管理費と共益費を家賃とは別に設定している場合、物件を貸す側にも借りる側にもメリットがあるのです。

大家さんや不動産会社など貸す側にとってのメリットは、家賃を安く見せることができるので入居者を募集しやすくなること。

そして賃貸を借りる人にとっては、家賃の価格をもとに計算される初期費用が安くなるのが嬉しいポイントです。

例を挙げて説明してみます。

＜例＞

A物件：家賃75,000円、管理費0円（または管理費込み）

B物件：家賃70,000円、管理費5,000円

上記のようなケースだと、不動産サイトなどで家賃から物件を検索する時、家賃が安いB物件のほうがより注目されやすくなります。

また、実際の月額は同じなのに、2つの物件をパッと見比べた時にB物件のほうが安く感じないでしょうか？

このように、月額の総額が同じでも管理費・共益費を別にして家賃を安くしたほうが、より検索にかかりやすくなり、入居者が見つかりやすくなるのです。

そして、物件を借りるときに必要な初期費用は、たいてい家賃をもとに計算されます。

初期費用に含まれる「敷金・礼金・仲介手数料」は、家賃のおよそ1～3ヶ月分を支払うのが相場。

つまり、家賃が安いB物件の方が初期費用が安くて済むのです。

敷金や礼金については「 賃貸の敷金・礼金の仕組みとは？敷金礼金ゼロ物件の注意点も解説！」をご参考ください。

賃貸住宅でかかる管理費の相場とは

管理費は物件によって様々です。

貸主が自由に設定でき、法的にも明確な基準は定められておりません。

神奈川県内ですと、アパートでおよそ2,000～3,000円、マンションはおよそ5,000～6,000円といったところでしょうか。

高層ビルだともっと高値がつくことも。

おおよその目安ですと、管理費や共益費のトータルが家賃の5～10％の範囲内が相場と見て良いでしょう。

物件ごとに管理費が様々である理由や価格が変動する要因は、次の項目で詳しくご紹介しますが、床面積や共有する設備環境などが関係します。

賃貸住宅の管理費や共益費の注意点！0円物件は得？損？

賃貸物件の管理費や共益費で、注意しておくべき点をチェックしましょう。

「管理費0円物件」を見かけることもありますが、これは本当にお得な物件なのかについても解説していきます！

管理費0円物件は初期費用で損をする！？

賃貸物件を探す際に、気になるのが「管理費0円」の広告。

月々の支払いが少しでも安くなるなら、とすぐ契約するのは要注意。

管理費が0円という物件は、大半が「家賃」を高めに設定している可能性があるため、その分初期費用が高くなることがあります。

家賃に「管理費込み」と書かれているのも、似たようなケースです。

さらに、管理費が0円にはもう一つ注意が必要。

物件の維持（メンテナンスなど）に伴う費用を誰が負担するかです。

項目に管理費が無く、曖昧に家賃のみが記載された物件は、管理費が含まれているのか事前に確認しておくと安心です。

そうすることで、結果的に家賃が少し安くなることもあるかもしれません。

物件を探す際は、管理費の安さではなく、管理費も家賃も「トータル」で考えて他の物件と見比べてくださいね。

なお、 公社の賃貸の初期費用は「①敷金と②契約月の日割家賃・日割共益費のみ」です。（※高齢者向け優良賃貸住宅は日割管理費もお支払いいただきます）

同じ建物でも管理費は変動する

共益費も含め、管理費には実は法的な決まりが無く、大家さんまたは不動産会社が金額を自由に設定できます。

いつ廊下の電球が切れるか、スイッチが故障するかなんてタイミングは分かりません。

物件の環境や条件など、それぞれで考慮されているのです。

また、同じアパートやマンションなのに管理費・共益費が違うパターンがあるので注意！

管理費・共益費の価格が変動する主な3つの要因について、見ていきましょう。

①床面積の広さで変動

管理費・共益費は一律に設定している場合もありますが、床面積が広い物件ほど高かったり、角部屋など構造によって違ったりすることがあります。

例えば1㎡あたり100円だとすると、20㎡の部屋の管理費は2,000円。

このように、一般的には床面積の広さを基準として金額を設定している場合がほとんどです。

安易に広い部屋と決めず、管理費・共益費が他の部屋と同額であるかを事前に確認しましょう。

②入居時期で費用が変動

1～3月の引っ越しシーズンは当然入居者が増えますが、4月になっても入居者が入らず空き部屋が夏まで続く場合があります。

そこで8～10月などの変動が少ない閑散期に、空き部屋の管理費・共益費を安くすることもあるのです。

管理費・共益費は実費では無いことや、物件によって金額にバラつきがあることを心得ておきましょう。

③共用施設の内容によって変動

マンション内のエレベーターも管理費・共益費で維持管理しています。

そのため、エレベーターが付いていたり、防犯カメラまたは施錠付きゴミ収納スペースが設置されていたりするなど、賃貸物件の設備が充実している場合は要注意。

当然ですが、それなりの維持費がかかるため、管理費は高くなります。

集会室など、その他の共有施設の有無も管理費・共益費に大きく関わってきます。

管理費は物件（一戸）ごとに設定されるものです。

共同で使用する部分の維持費面を考えると、戸数が少ないマンションも管理費が高くなる可能性があります。

管理費・共益費とは建物の維持管理費！トータルの費用を見極めよう

「管理費」はマンションの事務処理や設備・共用部分の管理および維持などに充てられ、「共益費」は共用する設備などの運営および維持に必要な費用です。

大家さん、または不動産会社が金額を自由に設定することができます。

管理費や共益費は、快適な住環境を整えるために必要です。

家賃と別で設定することで月額費用を安く見せたり、初期費用が安くなるといった貸主・借主双方へのメリットがあります。

管理費・共益費は物件によって異なりますが、大体の相場は家賃の5～10％の範囲内となっています。

管理費0円物件が全てお得とは限りません。

初期費用も踏まえ、管理費と家賃はトータルで見比べましょう。

管理費や共益費は実費では無いため、物件や契約時期などによって金額にバラつきがあります。

人気物件や共用部分の設備が充実しているほど、金額の相場は高くなる傾向です。

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