公社の賃貸ブログ

横浜若葉台団地(旭区)にて、新バリアフリープラン「車いす使用者向け賃貸住宅」のモデル住宅が完成しました!

2023.08.25

取り組み

今回、多様な障がいのうち、車いすを使用する方を対象とした「車いす使用者向け賃貸住宅」を試験施工したモデル住宅を見学してきました。

横浜若葉台団地(以下「若葉台」)に、既存の賃貸住宅を改修し、車いすを使用する方にも安心してお住まいいただける新たな取り組みとして「車いす使用者向け賃貸住宅」プランが試験施工されました。
車いすを使用する単身の方または夫婦等の小家族(2名)で住めるよう想定した間取りとなっています。

こちらは人生100年時代、多様な人々の暮らしの安定確保につながる先導性が高い事業に対して国土交通省が支援する補助制度「住まい環境整備モデル事業」に採択され、その取り組みの一つとして実施するものです。

若葉台のまちづくり

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若葉台では、SDGsにも合致する持続型循環まちづくりの一環として、住み続けられるまち、多様な人・住まい・施設が混在するまちづくりが行われています。

神奈川県住宅供給公社は、これまでに、高齢の方を対象とした「高齢者向けの賃貸住宅」を整備、バリアフリー化や介護しやすい住宅の整備を実現。
多様性に対応した住まいをつくることで、若葉台に安心し住み続けられる住替え先づくりを行っています。
既存の公社の賃貸住宅を改修・利活用し、住まいや暮らしの選択肢を増やし、多様な方が住みやすい住環境へ住み替えができるよう対応しています。

「車いす使用者向け賃貸住宅」新プラン

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実際に車いすを使用されている方や、介助する方の目線で「車いす使用者向け賃貸住宅」にご意見をいただくモニターを募り、使い勝手などのご意見をお聞きするヒアリング調査にご協力いただきました。

※これらのご意見等を踏まえ、今後、設計内容が変更される場合がありますが、本ブログではモデル住宅の内容としてご紹介します。

玄関

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IMG_05761.jpg玄関ホールの壁の青は、内覧会でも好評だったそうです

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スロープを二つ設置することで、傾斜の緩いスロープとなっています

車いすで転回できるスペースを確保するため、玄関横にあった4.5畳の部屋を、踊り場として使用し、十分な広さを確保しています。
踊り場で方向転換することで、負担なく居室スペースに入ることができます。
下駄箱の下に空間を設け、転回の際の圧迫感を低減されていました。
※踊り場は、車いす回転のため直径1,400㎜が確保されています

居住スペース

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改修前と改修後の間取りの違い

間取りはもともと、3DKであった住居を、1LDKに改装。
車いすでの生活に配慮した、ゆったりとした雰囲気を感じました。

各部屋の扉が上吊りの引き戸のため床にレールや敷居がなく、段差が解消されています。

IMG_05761.jpg一部取っ手は、引き戸の真ん中に近い位置にあります

居室の扉は、車いすでも開閉がしやすい引き戸を採用。
壁側に近い取っ手は、壁ぎりぎりまで近づかなくても開閉しやすいように、壁から少し離れた位置に設置されていました。

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フローリングは木材より耐久性がよく、風合いも良好な塩ビ製シートを使用

居室は、移動のための十分なスペースと家具配置により様々な暮らし方に対応できるよう、収納は一カ所に。
寝室ではなく、リビングにクローゼットがあることで寝室の使用スペースが広くなっています。

クローゼットのハンガーパイプは、車いすからも届く低めに設置し、容易に衣類などをかけて収納できます。
また、部屋のインターホンのモニターも、車いすを使用する方に使いやすいよう低い位置に設置されています。

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ヒアリング調査時には、車いすを使用する方にも実際に使用していただいたそうです

寝室

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シンプルな作りの約6.1畳の寝室

車いすを使用する方は、電動ベッドをご利用の方も多いそうです。
そのため、コンセントの位置は寝室のどの位置に電動ベッドを設置してもコードが届くようになっていました。

キッチン

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電動で上下に動く吊り戸棚は本体のボタンかリモコンで操作可能

一般的なキッチンの天板の高さは、床から85㎝が多いですが、一般的な車いすの高さに合わせて、床から78㎝と低く、シンクの下は車いすでも作業しやすいスペースがあいています。

シンクから後ろの壁までの移動スペースも広めに設定されており、キッチンでの動きがスムーズにできます。

洗面所/脱衣所

洗面/脱衣所に入る引戸は、開口が広いため出入りがしやすい作りです。
トイレや洗面・脱衣所は、車いすを使用して転回するのに十分なスペースを確保しています。
※踊り場は、車いす回転のため直径1,400㎜が確保されています

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洗面/脱衣所は車いすが入れる十分な広さ

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車いす対応の洗面台。下に収納がないタイプになっています

洗面台も車いすでより近づけるよう下にスペースがあいています。
洗面台の横には、衣類が取り出しやすいドラム式の洗濯機が置けるスペースもありました。

さらに住みやすい住宅を目指して

間取りはとてもシンプルで、車いすを使用する方が自立して生活できる細やかな工夫がたくさんある住宅でした。
今後、6月に開催したヒアリング調査などでいただいたご意見を参考に、より車いすを使用する方が安心してお住まいいただける住宅へ見直しを行い、今年度中に、新たに2つの募集住戸を整備する予定です。

ヒアリング調査では、実際に車いすに乗って移動し、「ここに住んだらどのように生活するか」を考えながら体験していただきました。
平面プランや移動のしやすさに対する評価が高く、車いす対応のバリアフリー設備は、使い勝手がよいと好評でした。

モデル住宅に関するお問い合わせは、045-651-1957(賃貸事業部 若葉台創生課)

公社では、若葉台の他にも、神奈川県内にたくさんの住宅を取り揃えています。
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公社の賃貸 https://www.kousha-chintai.com/

●関連サイト
公社の賃貸:団地紹介~団地が一つの街に「横浜若葉台」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/yokohama/1160.php

若葉台高齢者向け公社賃貸住宅に新プランが登場!
https://www.kousha-chintai.com/blog/efforts/post-27.php

横浜若葉台団地での暮らしを泊まって体験してみませんか?
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鈴木B(総務広報課) 神奈川県住宅供給公社が「公社の賃貸」で行っていること、いろいろ紹介しますね。