公社の賃貸ブログ
団地の耐震性が心配?実はマンションよりもオススメな団地。
こんにちは!神奈川県住宅供給公社の戸丸です。
物件選びのポイントで、古い建物だけど地震に強い建物なの?安心して住むことが出来る建物なの?と気になることがあると思います。
侮るなかれ、古い建物でも耐震性のある建物はたくさんあります。
今回は古い建物というイメージが強い「団地」の耐震性についてご紹介します。
団地の構造形式は大きく分けて2種類ある
団地物件は鉄筋コンクリート造(RC造)が一般的で、構造形式はラーメン構造と壁式構造の2種類に大別されます。
ラーメン構造
ラーメン構造は柱と梁のフレームで構成されており、比較的自由度の高い間取りの確保ができ、高層の建物に使用されています。ちなみに、ラーメンはドイツ語で「額縁」などを意味します。
壁式構造
壁式構造は壁、床、天井で構成される箱型のものです。住戸内の間仕切壁が構造体の場合が多く、間取り変更等を行うことが難しい構造です。
壁式構造はさらに2種類に分けられます。
現場打ち壁式鉄筋コンクリート造
現場で鉄筋を組んでコンクリートを打設して作る壁式構造。
壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造
現場打ち壁式鉄筋コンクリート造と工場で壁、床、天井のコンクリート板を作成し、現場で組み立てる壁式構造。
団地では、壁式構造が多く見られ、特に昭和40年代以降に掛けて多くの壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造が建設されました。
旧耐震と新耐震。なぜ旧耐震は耐震診断が必要なの?
旧耐震と新耐震の境目は昭和56年6月以前か以降かがポイント
旧耐震、新耐震という言葉を聞いたことがありますか?
建物は建築基準法に基づいて建てられていますが、建築基準法の耐震基準は大地震の発生とともに見直されてきました。
現在の建築基準法における耐震基準は、昭和53年に発生した宮城県沖地震を経て、昭和56年6月に見直されましたが、これを境に昭和56年6月以前の建物が『旧耐震』、昭和56年6月以降の建物が『新耐震』と言われています。
そして、旧耐震建物は『建築物の耐震改修の促進に関する法律』に基づき、耐震診断を行うよう定められています。
旧耐震建物における耐震診断の必要性
では、旧耐震建物はなぜ耐震診断を行わなければならないのでしょうか。
大地震の発生とともに建築基準法の耐震基準が見直されてきたのは、旧耐震建物で倒壊、崩壊する被害が発生したことによります。
そのため、旧耐震建物は耐震診断を行って耐震性能を確認する必要があるのです。
耐震指標とは?耐震改修が必要になる場合
耐震指標で地震による建物の倒壊・崩壊リスクがわかる?
耐震診断の結果、耐震指標(Is値)が計算されます。
Is値は、耐震性能様々な角度から判断したもので、Is値の数字が大きいほど耐震性能が高いと言えます。
具体的には次のような数値で判断されます。
Is値が0.6以上・・・ 『倒壊、崩壊する危険性が低い』
Is値が0.3以上、0.6未満・・・ 『倒壊、崩壊する危険性がある』
Is値が0.3未満・・・ 『倒壊、崩壊する危険性が高い』
構造形式別の耐震性能として、ラーメン構造はIs値が0.6未満となる可能性が高く、壁式構造はIs値が0.6以上となる可能性が高くなる傾向があります。
つまり、ラーメン構造の方が、地震の際に倒壊、崩壊するリスクが高いと言えるのです。
補強による耐震改修で古い建物でも安心できる建物へ
耐震診断の結果、Is値が0.6未満となる場合、Is値が0.6以上となるように補強する耐震改修が必要となります。
ラーメン構造における代表的なもの補強方法として鉄骨ブレースが挙げられます。
建物の外側、内側に鉄骨をX型に組むことにより揺れを抑えて、倒壊、崩壊の危険性を低くします。
庁舎や学校などで見かけることができる補強方法ですが、団地でも鉄骨ブレースによる補強を実施していることがあります。
一部のお部屋からは鉄骨が見えてしまうという欠点がありますが、パッと見で補強しているんだなぁという安心感もありますね。
まとめ
今回のお話しのポイントは次の4点です。
・構造形式はラーメン構造と壁式構造の2種類に大別されます。
・旧耐震と新耐震の境目は昭和56年6月です。
・耐震指標(Is値)が0.6以上あると『倒壊、崩壊する危険性が低い』と考えられます。
・耐震改修でIs値が0.6以上になるよう補強が必要です。
団地でもマンションと同様に耐震性のある建物が沢山あります。
団地に住むことでマンションよりも家賃を抑えることができるので、子育て世帯にもゆとりある生活につながるのではないでしょうか。
私たちの『公社の賃貸』で、あなたにぴったりの物件をぜひ見つけてください!
戸丸(募集契約課) 公社の賃貸のことなら何でもお任せ。 団地物件から最新マンションまで、疑問、質問にお答えします。 座右の銘は『一期一会』