公社の賃貸ブログ

賃貸の退去時には掃除が必要?原状回復や敷金返還もチェック!

2023.02.06

団地の知識

こんにちは!神奈川県住宅供給公社の戸丸です。

賃貸物件を退去するときに「どこまで掃除をしたら良いのか」と、悩んだことはありませんか?

退去時の掃除は、退去時のマナーとして、退去費用などで損をしないためにも行った方が良いといえます。

理由の1つが、賃貸借契約で借主に原状回復義務が課せられているからです。

原状回復費用は、主に敷金から支払われますが、状態によっては敷金返還額に影響を及ぼす可能性もあります。

余分な出費を抑えるためには、原状回復の対象について知ったうえで効率良く掃除を行うことが有効です。

今回は、賃貸物件を退去するときの掃除について解説。

原状回復の対象や敷金返還のために必要な掃除方法などについてもご紹介しますね!

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賃貸物件の退去では掃除が必要?

賃貸物件の退去後はハウスクリーニング業者が清掃に入るため「掃除は必要ないのでは?」と思う方もいるでしょう。

それでも、退去時に掃除は「した方が良い」です。

理由の1つは、次の入居者や大家さんなどに失礼のないよう「退去マナー」として必要ということ。

もう1つは退去費用などの面で損をしない対処法として有効だということです。

賃貸借契約では、退去する際に原状回復を行うことが義務付けられています。

例えば、退去時に掃除を行って原状回復しておけば、敷金返還額が多くなったり、原状回復費用を抑えられたりする可能性があるのです。

ただし、賃貸借契約によっては、ハウスクリーニング代を借主が支払う特約が含まれている場合もあります。

賃貸借契約書に特約などの記載がないか、事前に確認しておくことも大事です。

賃貸の退去で原状回復すべきケースをチェック!

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退去時の掃除をどこまでする方が良いのかを判断するには、原状回復について知っておく必要があります。

原状回復の対象となるケース、経年劣化となるケースについてもご紹介しますので、チェックしておきましょう。

原状回復について

賃貸借契約においては、退去時に借主が部屋の状態を原状回復するというルールがあります。

原状回復とは、簡単にいうと「もとの状態に戻すこと」。

部屋を入居時と全く同じ状態に戻す必要はありませんが、借主の故意・過失、不注意、手入れ・掃除不足などでできた汚れや傷は、借主の責任で修繕・修復する必要があります。

ただし、通常使用で自然にできた畳の変色などは、経年劣化といい、原状回復の対象外となります。

原状回復の対象となるケース

原状回復の対象となるのは、次のようなケースです。

修復・修繕など原状回復にかかる費用は借主負担となります。

壁(クロス)

・結露や水漏れの放置で発生したシミやカビ、腐食
・落書きや物をぶつけた凹み
・下地ボードの貼り替えが必要なほどの釘やネジの穴
・タバコのヤニ汚れやにおいなど

床(フローリング・カーペット・畳など)

・飲み物をこぼしたことで生じたシミやカビ
・重たいものを落としてできた凹みやキズ
・冷蔵庫下のサビ跡(放置した場合) など

キッチン・水回り

・ガスコンロ・換気扇の油やスス汚れ(手入れを怠った場合)
・お風呂・トイレ・洗面台などの水垢やカビ(手入れを怠った場合) など

経年劣化となるケース

経年劣化と判断されるものは、次のようなケースです。

経年劣化の修復・修繕費用は、貸主(管理者)負担となります。

壁(クロス)

・冷蔵庫の後部壁面にできた電気焼けによる黒ずみ
・日焼けなど自然現象による変色
・カレンダーなどを貼った際にできた画鋲やピンの穴 など

床(フローリング・カーペット・畳など)

・家具や家電設置によってできた凹みや設置跡
・フローリングワックス剤の剥がれ など

原状回復の基準などについては、国土交通省が定めるガイドラインに細かく記されています。

また、賃貸物件によっては貸主と借主の合意により、負担区分の特約が賃貸借契約書に設けられている場合もあり、注意が必要です。

退去時のトラブルを回避するためにも確認しておきましょう。

原状回復については「賃貸を解約・退去する手続きや流れは?準備するものや注意点も!

でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

賃貸の退去時に敷金を取り戻すのに必要な掃除方法

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退去時に敷金を取り戻すには、敷金が返還される可能性について確認しましょう。

掃除すべき場所やポイントについても解説します。

掃除をすることで敷金が返還される可能性

賃貸物件では入居時に敷金を支払っている場合が多いです。

敷金は退去時の原状回復費用として使われるもので、基本的に残った分は返還されます。

つまり、原状回復の対象となる部分をおさえて、しっかり掃除を行うことで、必要以上の費用がかからないということ。

敷金が返還される可能性も高くなります。

原状回復の状況については「退去立ち合い」にて、借主と貸主(管理者)が一緒に確認。

費用負担がどちらにあるのかについても、この結果を元に決定します。

掃除をすべき場所と掃除方法を確認

敷金返還額への影響や、無駄な出費を抑えるためにも、退去時に掃除すべき場所やポイントをチェックしておくことが大事です。

引越しは何かと忙しく、退去する部屋を掃除しようにも時間が限られてしまうことが多いです。

効率良く掃除を行うためにも、次のような箇所や方法を参考にしてみてください。

キッチン

コンロ周辺や換気扇、蛇口・排水溝・シンクの汚れはきれいにしたいところ。

コンロ周辺や換気扇の油汚れには重曹などアルカリ性の洗剤が有効です。

頑固な場合は洗剤を染み込ませたキッチンペーパーで覆い、少し時間をおいてから、柔らかいスポンジなどでこすると汚れが落ちやすく効果的です。

シンクなどの水垢汚れには、クエン酸などの酸性洗剤がおすすめ。

スポンジで汚れを落としたあとは、雑巾で水分をしっかり拭き取っておきましょう。

浴室

排水溝、床・壁・天井、換気扇、浴槽の水垢、石鹸カス、カビの除去がポイントとなります。

浴室用の洗剤で掃除をし、カビの除去にはカビ取り剤を使用します。

頑固なカビは、カビ取り剤を染み込ませたキッチンペーパーやトイレットペーパーを密着させて、その上から食品用ラップでカバーすると液剤が浸透して落ちやすいです。

しばらく放置したあとシャワーで洗い流しますが、汚れが残っている場合は、さらにスポンジでこすりましょう。

洗面台

蛇口・排水溝・洗面ボウル、キャビネット、照明器具の汚れをチェックしておきましょう。

洗面ボウルなどの水垢汚れは浴室用洗剤とスポンジで、蛇口などの金属部の汚れはクレンザーと布できれいになります。

キャビネットは水に浸して固く絞った雑巾や住居用洗剤で汚れを除去。

照明器具もホコリが溜まっていることが多いので、忘れずきれいにしましょう。

トイレ

便座・便器の裏、壁や床を入念に、貯水タンクの掃除も行いましょう。

便座が取り外せる場合は外して、細かい汚れは歯ブラシなどを使って落とします。

トイレの壁を拭く際は、腰から下の低い位置が汚れやすいことを意識して行うと良いでしょう。

また、貯水タンクの掃除に塩素系漂白剤の使用はNGです。

塩素はタンク内部のパッキンや配管を傷めてしまうため、中性洗剤を使用しましょう。

壁・天井

家具や家電、カーテンなどで隠れていた部分はカビやスス汚れが溜まっている場合が多いです。

掃除する際は壁や天井の素材に注意して、使用する洗剤などで変色や破損が起こらないようチェックしましょう。

カビには塩素系漂白剤、皮脂汚れには住居用洗剤がおすすめです。

床(フローリング・畳)

フローリングは溝の汚れ、畳はカビが発生していないかを確認します。

フローリングも畳も掃除機をかけたあと、水を浸して固く絞った雑巾で拭き、さらに乾拭きをしましょう。

窓・ベランダ

窓はガラス面だけではなくレールやサッシの汚れにも注意して掃除することが大事。

ベランダがある場合は、排水口にゴミなどが溜まっていないか、コケが生えていないかもチェックしておきましょう。

窓ガラスはガラス用洗剤でも良いですが、水で湿らせた新聞紙で拭くとピカピカになります。

窓のレールやサッシの汚れは、先にホコリを取ってから、住居用洗剤と雑巾で拭き取ります。

住居によっては、ベランダに水を流せない場合もあります。

コケの除去には熱湯洗いが有効ですが、あらかじめ大家さんや管理会社に確認してから、掃除を行いましょう。

賃貸の退去で高額請求された場合の対処法

賃貸退去時に多い失敗やトラブルの1つが、高額請求です。

例えば、原状回復費用が敷金を上回るほど高い場合やハウスクリーニング費用で法外な請求をされた場合などです。

納得できない請求なら、まず大家さんや管理会社に相談して内訳を確認してみましょう。

費用が適正かどうかは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に判断・指摘するのがポイント。

交渉によっては減額になる可能性がありますよ。

大家さんや管理会社が交渉に応じてくれず解決できない場合は、国民生活センターや消費者センターへ相談してみましょう。

参考事例などから具体的なアドバイスや対処法を教えてもらうことができるはず。

相談は無料なので、1人で悩まず話してみましょう。

退去時のトラブルや相談先については「賃貸住宅のトラブルはどこに相談?多い問題や予防方法も解説!」でも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

賃貸物件の退去時に損をしないためにも掃除をしよう!

賃貸物件を退去する際の掃除は、退去時のマナーとして、また、退去費用などで損をしないためにも行った方が良いといえます。

退去時には、借主に原状回復の義務が課せられています。

原状回復費用は借主の負担となり、この原状回復の対象を知ったうえで掃除を行うことが大切です。

敷金は原状回復費用として使われるもので、基本的に残った分は借主に返還されます。

つまり、掃除をしっかり行うことは敷金返還に影響を及ぼす可能性があるということです。

引越しは何かと忙しく、退去する部屋を掃除しようにも時間が限られてしまうことが多いです。

掃除すべき場所やポイントを把握して、効率良く掃除をして退去日を迎えましょう。

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