公社の賃貸ブログ

【神奈川大学サッカー部×竹山団地】世代間交流を促進する竹山団地プロジェクトへかける思い

2024.02.05

取り組み

2020年から始まった「竹山団地プロジェクト」

神奈川大学のサッカー部員たちが竹山団地(横浜市緑区)で寮生活を営みながら、地域貢献活動を行う取り組みです。

サッカーだけに囚われない幅広い視野をもった総合的な人間教育を目的としてはじまったこのプロジェクトは、部員たちもサッカーとの相乗効果で、他人への思いやりや配慮、自己成長などの価値観の育みをもたらしています。

部員たちの地域貢献活動を通して団地住民との信頼関係が築かれてきたからこそ開催された年末の大掃除と芋煮会の様子を追いつつ、竹山団地プロジェクトに尽力する関係者の皆さんに、インタビューを実施。

これまで、そしてこれからの思いをたっぷりと語っていただきました。

世代間交流を促進する「竹山団地プロジェクト」

神奈川大学のサッカー部員が竹山団地に入寮し、竹山団地プロジェクトは始動したのは2020年5月。

空き部屋となっていた団地上層階で一室に学年の異なる部員2~3人が同居し、共同生活を行うことで、自立心や協調性を育むだけには留まらず、地域活動に精力的にも取り組み、部員たちが主体となりイベントの企画運営を進めてきました。

これまで、竹山団地中央商店街の空き店舗をリノベーションし、多世代が交流できる食堂をオープンしたり、高齢者向けのスマホ教室や介護予防教室の企画運営、最寄りの小学校での学習支援を行うなど様々な取り組みを行っています

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リーダーシップを育む、団地での寮生活

竹山団地プロジェクトのきっかけとなったのは、サッカー部の大森酉三郎監督の熱い情熱。

選手としてだけではなく、地域活動を通して学生たちが人間として大きく成長してくれれば、という思いでした。

「竹山団地プロジェクトは、サッカーで培うチームプレーや上下関係とは異なるところで学生たちがそれぞれリーダーシップを育むことができる取り組みです。彼らが主体となって企画運営するので、『こういうことをやろう』とか、『早く終わらせよう』とか、地域活動を通してリーダーシップを発揮できる。ここでの学びや刺激は、サッカー部の子たちが、大きく成長するところとして最適な場所だと考えています。」

学生同士が同じ屋根の下で生活を営むことや、地域活動を通して団地居住者たちとも深く関わっていく中で、すんなりとはいかないこともあったのだとか。

「コミュニケーションが苦手な学生や地域活動に関心のない学生もいて不満が出ることもあります(笑)。それでも、コミュニティ形成に力を注いだ竹山団地での暮らしを、サッカーをやめた20年後、30年後に『あの環境って特別だったんだ』と思ってもらえればいいなと思っています。我々は、彼らが育っていけるような土壌づくりを頑張らないと。」
と、大森監督は語ります。

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神奈川大学サッカー部の大森監督。お話を伺って、学生に成長してほしいという真摯な想いが伝わってきました。

団地居住者から愛される、サッカー部員たちの地域活動

サッカー部員が入寮してから世代を超えた交流が活発になっている竹山団地。地域活動を通して団地居住者との仲も深まっています。

サッカー部員たちの活動を慈しむように語ってくれたのは、自治会で経理局長を担当する星川さん。

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学生と仲のいい星川さん。学生たちに冗談を飛ばしながら、孫のように可愛がっている様子が印象的でした。

「サッカー部の学生が入居して、地域活性化に貢献してくれている。彼らが主催する高齢者向けのスマホ教室は人気で、団地外の友人からは羨ましいって言われてるよ。宿題応援団といって、子供たちにも毎週木曜日に勉強を教える活動もしてくれていて、これに来ている小学生が、(関東大学リーグの)最終戦には親を連れて応援に来ていたよ」

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スマホ教室は公式LINEでも情報発信をしていて、竹山団地居住者の約150人が登録しているそう。



竹山団地プロジェクトのこれから。公社としてできること。

プロジェクトを推し進めるために奔走した公社側の担当、水上にも話を聞きました。

「大森監督から竹山団地プロジェクトの元となるイメージを聞いたのは2019年。ぜひやりましょう!とプロジェクト始動に向けて社内外の調整に動きました。1年後にはサッカー部員たちが入寮を開始。活動時間の異なる高齢の居住者と学生間では騒音問題や生活マナー感覚の相違、頼っていただけるのは嬉しいのですが学生側に草むしりや荷物運びなどのお手伝いが際限なく依頼されるなど、最初こそ多くの課題に直面しましたが、自治会、サッカー部、公社が協力して、ひとつひとつの課題に向き合って解決してきました。」

「今後も何かできることがあれば公社は手伝っていきたいと思っています。この取り組みが大学全体に広がっていけば、関わる人も増えて、できることも増えていく。公社としてはそんな活動の受け皿となる場をご用意していければ。」

竹山団地プロジェクト開始、竹山団地連合自治会と神奈川大学サッカー部をつないでもうすぐ4年ですが、まだまだ公社にはするべきことがありそうです。

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自治会の皆さんと一緒に釣りに行くほど、公私ともに竹山団地の関係者の方々と深い信頼関係を築いています。



苦しいことも分かち合った4年間。竹山団地プロジェクトのこれから。

竹山団地プロジェクトの立ち上げ当時を知る最後の世代は今年卒業。このプロジェクトに入学当初から関わってきた4年生の永谷 陵之佑キャプテンに話を聞きました。

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お部屋にお邪魔してのインタビュー。とてもきれいに使ってくれていました!

「普通の大学生活では体験できないことばかりで、充実していて濃い4年間でした。挨拶一つで仲良くなれる人もいるってことをこの活動を通して初めて知ることができましたし、団地居住者の高齢化によるコミュニティの維持存続の難しさといった地域の課題を、自分たちは見つけることができたという自負があるので、社会に出てからもこの経験を活かしていきたいと思っています。」

リーダーとして、サッカー部を率いてきた永谷キャプテン。後輩への思いも語ってくれました。

「目の前の課題をひとつひとつクリアしてきた自分たちと、竹山団地商店街に開いたサッカー部食堂の運営や、高齢者向けのイベントなど、すでにやることがたくさんある後輩たちは、違う大変さがあると思います。自分たちの知見を後輩に伝えていき、これからは後輩たちが先導して取り組みを進めていきます。信頼のおける後輩たちなので、今後も大丈夫だと感じています。」

4年前、ひとつひとつ目の前にある課題に取り組んで、新しい道を切り開いたサッカー部員たちが竹山団地に新しい変化を巻き起こしたように、新しい世代もまた変化を起こしてくれるでしょう。

皆が協力しあい、助け合い、心を紡いできた竹山団地プロジェクト。

取材をしていて、プロジェクトに関わる一人ひとりが、これまで尽力してきた自負、そしてこれからも大事に育てていくという思いが伝わってきました。

これからの竹山団地も楽しみです!



●今回の「公社の賃貸」

竹山団地

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【団地紹介】人口池のある団地!?モダン建築「竹山団地」
【物件概要】●所在地/横浜市緑区竹山1-1-1ほか●棟数・規模/9棟290戸●専有面積/37.55㎡、40.64㎡●間取り/2LDK・3K●築年月/昭和46年10月~昭和46年11月●アクセス/(竹山第1)1101~1104号棟 ①JR横浜線「鴨居」駅下車 徒歩15~16分②JR横浜線「鴨居」駅下車 横浜市営バスほか  竹山団地折返場行等バス約3分「鴨居町」バス停下車徒歩4~5分③JR横浜線「鴨居」駅下車 横浜市営バスほか  竹山団地折返場行等バス約5分「竹山団地入口」バス停下車徒歩3~4分/(竹山第2)3201~3205号棟JR横浜線「鴨居」駅下車 横浜市営バスほか 竹山団地折返場行バス約11分「竹山団地折返場」バス停下車徒歩6~8分

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関連サイト

大学との連携|神奈川県住宅供給公社 (kanagawa-jk.or.jp)

神奈川大学サッカー部 団地の高齢住民とのふれあい【News Linkオンライン】 (youtube.com)

高齢化進む築50年超の団地が大学サッカー部寮になった! 芋煮会や大掃除など、学生と高齢者が支えあう竹山団地 神奈川県横浜市 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト (suumo.jp)

平鹿(総務広報課) こんにちは! 皆さんに公社の取り組みを知っていただけるよう、どんどん情報発信していきます。