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家賃保証会社(賃貸保証会社)とは?仕組みや利用のメリット、注意点を解説!
こんにちは!神奈川県住宅供給公社の田中です。
これまで、賃貸住宅を借りる際には、借主である入居者は多くの場合、連帯保証人を立てなければなりませんでした。
しかし最近は、連帯保証人不要の物件が増えています。
その理由は、「家賃保証会社(賃貸保証会社)」が連帯保証人の代わりを担ってくれるケースが増えたからです。
では、この「家賃保証会社」とはどのような会社で、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
今回は、家賃保証会社について、何をする会社なのか、サービスの仕組みや保証内容、メリット・デメリットなど詳しくご紹介します。
家賃保証会社(賃貸保証会社)とは?
まずは、家賃保証会社(賃貸保証会社)の概要や提供しているサービスについてご説明します。
家賃保証会社とその仕組み
家賃保証会社とは、賃貸物件で家賃の滞納などが発生した場合に、入居者に代わって家賃等を大家さんに支払うことを保証している会社です。
入居者が家賃を滞納してしまったときには、家賃保証会社が滞納分の家賃を立て替えて大家さんに支払います。
入居者は、後日家賃保証会社から立て替えた家賃分の請求を受けることになります。
わかりやすく言うと、家賃保証会社は、賃貸契約時に求められる連帯保証人の代わりを担う会社です。
賃貸住宅を借りる際には、家賃保証会社と入居者は賃貸保証契約を結び、入居者は家賃保証会社に対し保証料を支払います。
この保証料は、賃貸契約時に支払う敷金・礼金などと一緒に、初期費用として請求されるのが一般的です。
敷金とは異なり、保証料が退去時に返還されることはありません。
利用する家賃保証会社は、大家さんや物件を管理する不動産会社に指定されることが多いです。
しかし中には、入居者自身が家賃保証会社を選ぶことを認めてくれる大家さんや管理会社もあります。
利用したい家賃保証会社があるのであれば、利用可能か聞いてみると良いでしょう。
連帯保証人の概要や家賃保証会社のサービスについては、「賃貸借契約で保証人がいない...!いなくても契約が可能な場合とは?」もぜひお読みください。
家賃保証会社利用時の保証料
家賃保証会社との契約期間は1年ないし2年で、初年度の契約期間の保証料は、家賃の0.5~1カ月分程度です。
翌年以降、契約を更新する際には更新料が必要になり、その金額は1〜2万円程度。
場合によっては、家賃の数%を毎月月額保証料として請求されることもあります。
公社の賃貸では、保証料を初期費用には含めず、家賃と共益費を合計した額の1%を保証料として毎月家賃等と一緒に引き落とす形を取っています。
また、更新については更新料なしの1年間自動更新です。
保証される内容
家賃保証会社では、次のような保証を行っています。
- 入居者が滞納した毎月の費用(家賃、管理費、共益費、駐車場代など)の保証
- 入居者が支払わなかった更新料や原状回復費用など一時的に生じる費用の保証
- 入居者が支払わなかった違約金や損害金など(賃貸契約に違反したときなどに生じる費用)の保証
- 裁判費用(家賃等の未払いや物件の明け渡しなどでトラブルになり、裁判に発展したときの場合)の保証
ただし、保証会社やプランによって保証内容は異なります。
契約前には保証内容を詳しく確認しておくようにしましょう。
家賃保証会社の利用には審査が必要
家賃保証会社と入居者の間で賃貸保証契約を結ぶ際には、まず契約者(入居者)に対する審査が行われます。
審査は書類審査が主で、契約者は次の書類等を用意する必要があります。
- 家賃保証会社への申込書
- 身分証明書のコピー(運転免許証、健康保険証など)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票、給与明細、納税証明書など)
- 在籍証明書
審査では、これらの書類をもとに以下の項目を審査して、入居者の支払い能力を確認します。
- 職種や雇用形態
- 勤続年数
- 年齢(未成年か否か)
- 収入
- 収入と家賃の金額のバランス(家賃は月収の1/3以内が目安)
- 過去の滞納履歴
- 本人確認(本人確認のために電話がかかってくることがあります)
審査には3~7日程度かかることが一般的です。
ただし、本人確認の電話に出られなかったなど手続きがスムーズに進まなかった場合には、審査に時間がかかることもあります。
家賃保証会社(賃貸保証会社)を活用するメリット・デメリットは?
ここからは、家賃保証会社(賃貸保証会社)を使う際のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
家賃保証会社を利用するメリット
家賃保証会社を利用することで、賃貸住宅の入居者は次のようなメリットを得ることができます。
連帯保証人を立てないですむ
連帯保証人は、他人に気軽に頼めるものではありません。
連帯保証人の収入の分かる書類を提出する必要などもあり、信頼関係がないとなかなか頼みにくいものです。
親や親族が連帯保証人の要件を満たさない、身近に頼める人がいないという方も少なくはないでしょう。
そのような場合でも、家賃保証会社を利用すれば、連帯保証人の代わりをしてもらうことができます。
これにより、保証料の支払いは必要になるものの、入居者は個人的に連帯保証人を立てずにすみます(連帯保証人と家賃保証会社の両方を必須とする物件は除きます)。
入居審査に通りやすくなる
家賃保証会社を利用することで、賃貸住宅の入居審査は通りやすくなります。
家賃保証会社が大家さんに対して家賃の支払いを保証することで、信用性が高まるためです。
場合によっては、家賃保証会社の利用により、収入が不安定な人でも物件を借りられる可能性があります。
敷金が減ることがある
家賃保証会社が原状回復費用も保証する場合、大家さんはその分の敷金を前もって預かる必要がなくなります。
そのため、入居者が契約時に支払う敷金が減る可能性があります。
ちなみに公社の賃貸では、家賃保証会社が提供する「家賃等立替払い制度」をご利用いただく場合、通常は家賃3カ月分の敷金をお預かりするところを、1カ月分に減額しています。
家賃保証会社を利用するデメリット
家賃保証会社の利用には、メリットがある一方で、デメリットもあります。
詳しく確認していきましょう。
保証料や更新料がかかる
家賃保証会社を利用する場合、賃貸契約時に保証料を払わなければならないので、その分初期費用が増えてしまいます。
また、契約更新時には更新料の支払いも必要なので、入居者の金銭的負担が増加します。
賃貸住宅の契約には、家賃保証会社の契約同様に更新があり、その更新期間は2年であることが多いです。
2年契約の賃貸住宅の途中解約については、「2年契約の賃貸は途中解約可能?違約金や手続きについて解説」をご確認ください。
審査が厳しい
家賃保証会社と契約する前には、入居者は審査を受けることになります。
この審査は比較的厳しく、場合によっては契約を断られてしまう可能性もあります。
家賃を滞納するとあとが大変なことも
入居者が支払うべき家賃等を支払わず、家賃保証会社が代わりに大家さんに支払った場合、支払われた分のお金はあとから入居者に請求されます。
速やかにお金を払わない場合、督促(電話・訪問等)があるほか、信用情報に傷が付いたり、訴訟になったりすることもあります。
家賃が期日までに支払えないとわかった場合には、その時点で支払い先に連絡して相談しましょう。
事前に連絡しておくことで、良い対応策を取れる可能性は高くなります。
家賃保証会社(賃貸保証会社)を活用する際の注意点
家賃保証会社(賃貸保証会社)を活用する際には、以下の点に注意するようにしましょう。
連帯保証人と家賃保証会社、両方必要なケースもある
ご紹介してきたとおり、家賃保証会社は、連帯保証人の代わりをしてくれる会社です。
しかし大家さんによっては、賃貸住宅の入居契約にあたって、家賃保証会社と連帯保証人の両方を条件とするケースもあります。
連帯保証人を立て、さらに家賃保証会社とも契約させておくことで、大家さん側のリスクは低くなるからです。
連帯保証人を立てなければならないかどうかは、事前に確認しておくようにしましょう。
家賃が払えない場合は速やかに連絡を
家賃等の支払いが難しい場合には、速やかに家賃の支払い先(大家さんや管理会社、または保証会社)に連絡し、その旨を相談するようにしてください。
家賃の支払いができず、連絡も忘れてしまった場合には、家賃督促の電話がかかってくることになりますが、これを無視するのは絶対にやめましょう。
督促の無視が続いた場合、担当者が家まで訪問してきたり、場合によっては裁判所を通して強制執行の手続きが取られ、資産を差し押さえられてしまう可能性があります。
事態を大きくしないためにも、万が一家賃を支払えない場合には自分から連絡すること、もし督促が来た場合には速やかに応じることが大切です。
家賃保証会社(賃貸保証会社)は家賃滞納時のセーフティーネット!
家賃保証会社とは、入居者が家賃等を滞納した場合に、入居者に代わって大家さんへの支払いを保証する会社です。
家賃保証会社のサービスを利用することで、大家さんは家賃が必ず支払われる安心感を得られ、入居者は万が一家賃を滞納した場合でも大家さんや連帯保証人に迷惑をかけないで済みます。
また、入居審査に通りやすくなったり、敷金が安くなったりすることがある点も、家賃保証会社を利用するメリットです。
ただし、入居者が家賃保証会社を利用するには審査が必要で、審査では入居者の支払い能力が重視されます。
また、保証料や更新料の支払いも必要です。
さらに、入居者が家賃を滞納した場合に、家賃保証会社が大家さんに滞納分の家賃を支払っても、入居者の支払いが免除されるわけではありません。
あとから、家賃保証会社によって立て替えた金銭の支払いを請求されることになります。
督促を受けた場合には、絶対に無視をせず、速やかに対応するようにしましょう。
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田中(募集契約課) 公社では建替から地域活性化事業まで経験しました!絶賛子育て中です。 「公社の賃貸」の魅力をお伝えできるよう頑張ります。