公社の賃貸ブログ

賃貸住宅の火災保険加入は必須?補償内容や注意点を解説!

2025.01.23

団地の知識

こんにちは!神奈川県住宅供給公社の戸丸です。

賃貸住宅の入居の際には、賃貸借契約締結と同時に、不動産会社から火災保険への加入を求められることが多いです。

火災保険は、万が一のリスクに備えるためのもの。

公社の賃貸でも、火災保険への加入を推奨しています。

では、賃貸住宅における火災保険の加入は必須なのでしょうか?

また、保険を自分で選ぶことは可能なのでしょうか。


今回は、賃貸住宅における火災保険への加入について、保険の概要から加入義務の有無、加入する際の注意点まで、わかりやすくご紹介します。

賃貸の火災保険

賃貸住宅で火災保険の加入は必須?補償内容などの基本も確認

まずは、火災保険の概要と加入義務の有無についてご説明します。

賃貸住宅の火災保険と補償の対象

賃貸住宅の火災保険とは、災害や事故によって、賃貸住宅の建物や家財道具が被害を受けた場合に、その損害を補償してくれる保険です。

火事による損害のほかにも、台風や洪水といった風水害、雪災害、落雷、車両の飛び込みといった事故、上階からの水漏れ事故、盗難などのさまざまな損害を総合的に補償してくれます。

火災保険について、建物に対する補償契約の締結・保険料の支払いは、建物の所有者(大家さん)が行います。

一方の賃借人は、家財の損害や大家さんへの損害賠償、第三者への損害賠償に備えるための補償契約を結び、保険料を支払います。

賃貸住宅の火災保険の保険料は、長期一括払いをすることで安くなります。

そのため、賃貸住宅では部屋の更新と同じ2年のスパンで火災保険を契約し、2年ごとに更新していくケースがよく見られます。

2年契約の賃貸住宅の途中解約については、「2年契約の賃貸は途中解約可能?違約金や手続きについて解説」でご説明しています。

火災保険の主な補償内容

賃貸住宅の火災保険の基本的な補償は以下の3種類です。

①家財保険

建物内の家具や家電、住まいの生活用品などが破損した場合に損害を補償する保険。

②借家人賠償責任保険

貸主である大家さんに対する損害賠償費用を補償する保険。

退去時に建物を入居時の状態に戻して返却するという「原状回復義務」の履行に活用できる。

③個人賠償責任保険

他人の物を壊してしまったり、人にケガをさせてしまったりした場合の損害賠償を補償する保険。

賃貸住宅で賃借人が加入する火災保険では、上記の補償を付けるのが一般的です。

特に注目しておきたいのが、借家人賠償責任保険。

法律では、他家からの貰い火による罹災で損害を受けても、火元へ損害賠償を請求することは認められていません。

しかし、借主は貸主に対して、損害を受けた部屋を原状回復するための賠償責任を負うことになります。

そこで、火災保険の借家人賠償責任保険に加入していれば、もらい火による自分の部屋の修理費等の補償を保険会社から受けることができるのです。

水漏れ事故を起こしてしまった場合については、「賃貸の水漏れはどう対処する?原因や責任問題など全て解決!」で詳しくお話ししていますので、参考にしてみてくださいね。

火災保険への加入は必須?目的は?

火災保険への加入はあくまでも任意であり、義務ではありません。

しかし、賃貸借契約を結ぶ場合には火災保険への加入が条件となっていることが多いです。

火災保険への加入を拒否した場合に、物件への入居を断られる可能性もあります。

建物に何かあったときに備えておきたいと考えるのは、部屋を貸す立場の大家さんからすれば十分理解できることでしょう。

火災保険に加入する目的は、万が一に備えることです。

賃貸住宅の部屋で万が一火災や事故を起こしてしまい、大家さんやご近所への損害賠償が発生した場合、火災保険に入っていなければ、賃借人は自ら大きな費用負担を負うことになります。

また、自分の所有している家財が使えなくなった場合には、何十万円もかけて買い直さなければなりません。

これは、大きなリスクです。

このような金銭的負担を避けるためには、火災保険の加入が必要といえます。

保険料が発生するとはいえ、備えとして必ず火災保険には入っておいたほうが良いでしょう。

賃貸住宅で加入する火災保険は自分で選べる?

賃貸住宅を借りるための契約手続きの際には、不動産会社から特定の火災保険への加入を勧められることが多いです。

勧められた保険にそのまま加入する人も少なくはないでしょう。

しかし、契約する火災保険は勧められた保険でないといけないというわけではありません。

賃借人は、自分で選んだ保険に加入することもできます。

賃貸住宅向けの火災保険は、さまざまな保険会社や代理店からたくさんのプランが販売されています。

勧められた保険にこだわらず、家族構成や必要な補償内容、補償金額、保険料など、自分に必要な保険内容をしっかりと確認して、自分にぴったりの火災保険に加入するのもありでしょう。

火災保険に入る際の注意点やよくある疑問もチェック!

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万が一の際の助けになる火災保険は、補償内容をよく吟味し、自分に合った内容で契約することが大切。

そのためには、火災保険の補償について、より詳しく知っておく必要があります。

ここでは、加入に際して知っておきたい火災保険の補償内容の確認ポイントについて、詳しくご紹介します。

補償内容で確認するべきことは?

加入する火災保険を選ぶ際には、補償内容について以下の点をよく確認するようにしましょう。

補償規模が自分に合っているか

火災保険の加入にあたっては、補償規模が自分に合っているか確認することが大切です。

補償規模が大きいほど、保険料が高くなるからです。

例えば、一人暮らしの部屋で家財が少なく、高価な家財もない場合に、1,000万円を超えるような家財保険の補償は必要ありません。

このような条件であれば、補償金額を下げて、支払う保険料も下げるべきでしょう。

また、借家人賠償責任保険の補償も同様です。

その部屋の価値や部屋に損害が出た場合にどれくらいの費用がかかるかを踏まえて、補償金額を選びましょう。

不必要な出費を抑えるためにも、また万が一のときに十分な金額の損害賠償を支払うためにも、補償規模は自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

個人賠償責任保険は必要か

第三者の物を壊したり第三者にケガを負わせてしまったりした場合の損害賠償を補償する個人賠償責任保険については、火災保険に付帯する必要がない人もいます。

自動車保険をはじめとしたほかの保険で、既に個人賠償責任保険に加入している場合、火災保険と同時に改めて加入する必要はありません。

個人賠償責任保険を付けなければ、保険料はその分安くなります。

類焼損害補償特約・失火見舞費用特約を付けるか

先ほどご紹介したとおり、他家からの貰い火による罹災で損害を受けても、失火元へ損害賠償を請求することはできません。

従って、自分の部屋が火元になった場合にも、近隣の住民から損害賠償を請求されることはありません。

とはいえ、自分の部屋が火元になった場合には、被害を受けた近隣の住人に対し、弁償や見舞金などの対応をしたいと考える人がほとんどでしょう。

このような場合に活用できるのが、「類焼損害補償特約」や「失火見舞費用特約」です。

第三者に被害を与えてしまった場合に備え、火災保険の加入にあたっては、これらの特約を付けることも検討しましょう。

水災補償を付けるか

水災補償とは、台風や豪雨などで発生した洪水や高潮、土砂崩れなどによる被害を補償するものです。

水災が予想される地域に住む場合には必ず水災補償に入るべきですが、建物が高台にあったり海や崖が周りになかったりして水災のリスクが低い場合には、水災補償を外すのも選択肢の一つ。

水災補償を外せば、支払う保険料は下がります。

火災保険の保険料や補償金額の目安は?

火災保険の保険料は、保険会社や内容によってさまざまです。

大まかな相場を挙げるなら、家財保険と借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険がついたプランで、年間約5,000円〜20,000円程度の保険料が必要でしょう。

また、火災保険料は燃えにくい構造の建物ほど保険料が低く、燃えやすい構造の建物ほど保険料が高いという傾向があります。

つまり、鉄筋コンクリート造など耐火構造の建物のほうが、木造など非耐火構造の建物よりも、火災保険料が安くなるのが一般的です。

補償金額については、既に述べたとおり、自分の家財状況や部屋に合った金額で選び、備えたいケースに応じて特約の付帯も検討しましょう。

地震保険にも加入した方が良い?火災保険との違い

火災保険加入時には、セットで地震保険を契約することもできます。

地震保険は、地震が原因で起こった火災による損害や、火山の噴火、津波による被害など、火災保険では補償されない範囲をカバーすることができます。

地震保険の保険料はやや高額になることが多いですが、年末調整で所得控除の対象となります。

地震保険と火災保険は重複する補償もあるため、セットで地震保険にも加入するなら、地震火災費用特約など、同じ補償内容の特約は外すようにしましょう。

地震保険については、下記のコラムでも詳しく紹介していますので、参考にしてみてくださいね!

賃貸で地震に遭ったらどうなる?補償や保険の適用は?

賃貸住宅の火災保険は必須ではないが加入するのがおすすめ!

賃貸借契約を結ぶ際には、火災保険への加入を求められることが多いです。

ただし、加入は必須ではありません。

公社の賃貸でも火災保険への加入は任意ですが、万が一のリスクに備えて加入することを推奨しています。

賃貸住宅での火災保険では、建物の補償ではなく家財道具一式に対する補償を受けられる家財保険を契約することになります。

また、家財保険のほかにも大家さんへの損害賠償を補償する「借家人賠償責任保険」や、第三者に損害を与えてしまった場合の損害を補償する「個人賠償責任保険」などが含まれます。

これらの補償を契約しておくことで、賃借人は罹災と損害賠償のリスクに備えることが可能です。

賃貸住宅の火災保険については、賃貸借契約と一緒に特定のものを斡旋されることが多いと思いますが、どの火災保険に加入するかは、賃借人が自分で選ぶことができます。

家族構成や生活状況、また備えのニーズに合わせて、自分にぴったりの火災保険を選ぶと良いでしょう。

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