公社の賃貸ブログ

賃貸住宅で火災保険は入るべき?内容や注意点を知って検討しよう!

2021.01.30

団地の知識

こんにちは!神奈川県住宅供給公社の戸丸です。

賃貸住宅を借りる場合には、賃貸借契約を結ぶ際に一緒に火災保険への加入を求められることが多いです。

公社の賃貸では、火災保険等は費用に含まれていないため任意となりますが、火災保険への加入を推奨しています。

では、賃貸住宅でも火災保険には入った方が良いのでしょうか?

今回は賃貸住宅と火災保険の関係についてのお話。

賃貸住宅向けの火災保険の概要や必要な補償内容、加入する際の注意点などをご紹介します。

賃貸の火災保険

賃貸住宅の火災保険とは?補償の対象

賃貸住宅の火災保険とは、火事その他の災害や事故で建物や家財道具に被害を受けてしまった場合に、その損害を補償してくれる保険です。

ただし、建物に対する補償契約を結べるのは建物の所有者(大家さん)のみ。

賃借人は家財保険という形で家財道具一式に対する補償契約を結ぶことになります。

「家財」の範囲はテレビなど大型の家電製品や家具など高価なものだけではなく、毎日の生活で必要な洋服や食器、鉛筆1本にまで及びます。

特に家族がいる方は思いのほか大きな金額となるので重要ですよ。


火災保険は火事による損害の他にも、台風や洪水といった風水害、雪災害、落雷、車両の飛び込みといった事故、上階からの水漏れ事故、盗難などのさまざまな損害を総合的に補償してくれます。

賃貸住宅で重要となる火災保険の補償内容

火災保険では主契約である家財への補償以外にも重要な補償内容があります。

賃貸住宅の火災保険で重要な基本補償について見ていきましょう。

家財保険

家財保険は、建物内の家具や家電、住まいの生活用品などが破損した場合に損害を補償する保険です。

選択するオプションによっては、火災による損害だけでなく、落雷や漏水、台風などのトラブルによる損害も保証してもらうことができます。

当然ですが、補償範囲を広げるほど保険料は上がってしまうので、自分に必要な範囲でオプションを選択しましょう。

借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険は、貸主である大家さんに対する損害賠償費用を補償するものです。

一般的に賃貸借契約に退去時に建物を入居時の状態に戻して返却するという「原状回復」の約束が含まれています(時間の経過による劣化は除く)。

もし火事や水漏れ事故などを起こして建物への損害を与えてしまった場合、賃借人の「原状回復義務」により大家さんへの損害賠償が発生してしまいます。

そんな場合の損害賠償にかかった費用を保険金によって補償してくれるのが、借家人賠償責任保険です。

また、他人が起こした火事のもらい火でこちらが損害を受けてしまった場合の修理費用も、借家人賠償責任保険でカバーすることができます。

こちらに過失がなく、隣家の火災が広がって被害を被った場合で、民法における「失火責任法」という法律により失火元へ損害賠償請求をすることができません。

しかし賃借人には原状回復義務があるため、建物の修繕にかかる費用は賃借人が負担しなくてはいけないということになってしまうのです!

このような不測の事態のためにも、火災保険での借家人賠償責任保険は大変重要となります。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、他人の物を壊してしまったり、人にケガをさせてしまったりした場合などに補償してくれる保険です。

水漏れ事故を起こして賃貸マンションやアパートの階下の部屋を水浸しにしてしまったり、自転車で人にぶつかってケガをさせてしまったケースでも、損害賠償費用を補償してくれます。

毎日の生活の中で起こり得る万が一の事故やリスクに備えることができ、元気なお子さんがいる家庭にもおすすめです。

借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険は、火災保険とセット、または特約として付加する形のものがほとんどです。

火災保険の契約内容や保障範囲をしっかり確認して、忘れずに加入するようにしましょう。

水漏れ事故を起こしてしまった場合については、「賃貸の水漏れはどう対処する?原因や責任問題など全て解決!」で詳しくお話していますので、参考にしてみてくださいね。

賃貸住宅で火災保険に加入する際に知っておきたいこと

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万が一の際の助けになる火災保険。

加入に際して知っておきたいこともいくつかありますので、ご紹介します。

火災保険への加入は必須?

火災保険への加入はあくまでも任意であり、義務ではありません。

しかし、賃貸借契約を結ぶ場合には火災保険への加入が条件となっていることが多いです。

火災保険への加入を拒否した場合に、物件への入居を断られるケースもあります。

大家さんも、建物に何かあった時に損害賠償能力(お金)がない方にお部屋を貸すのは不安ですからね。

もし火災や事故を起こしてしまい、大家さんやご近所へ損害賠償が発生した場合、数十万円~数千万円の費用が必要になってしまう場合もあります。

保険料は発生しますが、万が一の火災や事故の可能性に備えて、火災保険には入っていた方が安心ですね!

火災保険の保険料や補償金額の目安は?

火災保険の保険料は保険会社や内容によってもさまざまですが、借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険もついたプランでは年間4,000円~7,000円程度が目安となります。

また、火災保険料は燃えにくい構造の建物ほど保険料が低く、燃えやすい構造の建物ほど保険料が高いという傾向があります。

鉄筋コンクリート造など耐火構造の建物では上記の金額が保険料の目安となりますが、木造など非耐火構造の建物では年間の保険料が1万円を超えるものもあります。

補償金額も保険によって様々ですが、家財補償は100~300万円、借家人賠償責任保険は1,000~2,000万円、個人賠償責任保険は2,000万円~1億円が目安となっています。

加入する火災保険は自分で選べる?

賃貸住宅の契約手続きの際に、不動産会社から特定の火災保険への加入を勧められることもあります。

しかし、契約する火災保険は勧められた保険でないといけないというわけではありません。

賃貸住宅向けの火災保険は、さまざまな保険会社や代理店からたくさんのプランが販売されています。

家族構成や必要な補償内容、補償金額、保険料など、自分に必要な保険内容をしっかりと確認して自分にぴったりの火災保険に加入するようにしましょう。

地震保険にも加入した方がいい?火災保険との違い

火災保険とセットで地震保険を契約することもできます。

地震保険では、地震が原因で起こった火災による損害や、火山の噴火、津波による被害など、火災保険では補償されない範囲もカバーすることができます。

地震保険の保険料はやや高額になることも多いですが、年末調整で所得控除の対象となります。

地震保険と火災保険は重複する補償もあるため、セットで地震保険にも加入するなら、地震火災費用特約など同じ内容の特約は外すようにしましょう。

地震保険については、下記のコラムでも詳しく紹介していますので、参考にしてみてくださいね!

賃貸で地震に遭ったらどうなる?補償や保険の適用は?

賃貸住宅の火災保険は加入するのがおすすめ!自分に合った内容を選ぼう

賃貸借契約を結ぶ際には火災保険への加入を求められることが多いです

公社の賃貸でも任意ですが、火災保険への加入を推奨しています!

賃貸住宅での火災保険では、建物の補償ではなく家財道具一式に対する補償を受けられる家財保険を契約することになります。

家財保険の他にも大家さんへの損害賠償を補償する「借家人賠償責任保険」、ご近所の方へ損害を与えてしまった場合の補償「個人賠償責任保険」などが含まれます

これらは火災保険の特約として契約する場合もあります。

自分では気を付けていてもご近所が起こした火災で被害を受けてしまう場合もあります。

その際には借家人賠償責任保険は大変重要となりますのでぜひ加入をおすすめします。

火災保険へ加入をしないと賃貸物件への入居を断られる可能性があります。

賃貸借契約と一緒に特定の火災保険を斡旋されることが多いと思いますが、どの火災保険に加入するかは自分で選ぶこともできます

家族構成や生活状況に合わせて自分にぴったりの火災保険を選ぶと良いでしょう。

火災保険とセットで地震保険に加入することもできます。

地震によって生じた火災による損害を補償してくれ、保険料は年末調整の控除の対象となるなど、メリットもあります。

自分に必要か考えて検討しましょう。



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